コラム

スハグラ

2019.05.16

1998年にアメリカのphizer(ファイザー)製薬からバイアグラが発売されてから、ED(勃起不全)という症状が世界的に認知されていきました。EDについて詳しい知識がない方でもバイアグラという名前は耳にした事があると思います。
バイアグラの特許満了に伴い、世界各国で同じシルデナフィルを主成分とするジェネリック医薬品が製造販売されるようになりました。先発医薬品と同等の効果を得られる上に価格は安価になる為、以前に比べてED治療薬がより身近なものになりました。今回はバイアグラのジェネリック医薬品のひとつ【スハグラ(Suhagra)】についてご紹介いたします。

バイアグラについて

スハグラについてのご紹介の前に、まずは先発医薬品のバイアグラについて述べていきます。上記にもあるようにファイザー製薬から世界で初めて販売されたED治療薬で、元々は狭心症治療薬として開発されていたお薬なのですが、EDに対しての効果が高い事が開発段階で判明したため、狭心症の治療薬ではなくED治療薬として開発販売されることになりました。狭心症治療薬としての効果は高くなかったそうです。
バイアグラの主成分はシルデナフィル(Sildenafil)で、PDE-5(ホスホジエステラーゼ5型)という勃起を抑制する酵素の働きを阻害し、勃起に対して良い働きをする酵素のcGMP(環状グアノシン―リン酸)の働きを促すもので、PDE-5阻害薬に分類されます。cGMPの働きを促す事により陰茎海綿体への血流増加によって勃起不全を改善してくれます。

スハグラとは

スハグラはインドの製薬会社のシプラ(Cipla)が製造販売をしているバイアグラのジェネリック医薬品です。シプラ社はジェネリック大国と言われるインドにおいて有数の製薬会社として知られています。スハグラはバイアグラ同じシルデナフィルを主成分とするED治療薬ですので、バイアグラと同等の効果を得る事が出来ます。ジェネリック医薬品なので開発費にコストが掛かっておらず先発医薬品のバイアグラに比べ安価で入手する事ができます。バイアグラの特許満了に伴い、日本を含めた世界各国でジェネリック医薬品を安価で入手する事ができるようになり、より一層ED治療薬が身近なものになりました。

 

作用機序・効果

シルデナフィルを主成分とするスハグラは即効型のED治療薬に分類されます。バイアグラと同様に服用後30分~1時間程度で効果が現れ始め、3~6時間程度の効果が持続し、効果のピークは服用後1時間だと言われています。6時間経つと効果が急になくなるわけではなく、薬効成分の消失と共に効果も徐々に和らいでいきます。ED治療薬は食事や体調面の影響を受けるお薬です。その中でもシルデナフィルを主成分とするものは比較的に影響を受け易いお薬に分類されます。個人によって効果のピークや効果が現れるタイミングが安定していないため、初めての服用の際は最低5,6回の服用を各製薬メーカーは推奨しています。
初めてED治療薬を服用される方の誤解であるのは、お薬の服用後から常に勃起の状態が続く訳ではありません。性的な刺激や興奮があった場合にのみ勃起の状態になりますので、ご安心のうえ服用してください。

副作用

スハグラも他のED治療薬と同様に血管拡張作用がある為、顔の火照りや、頭痛、鼻詰まりなどが副作用としてあります。これらは薬効成分が効いている事で起こりますが、重篤な有害事象はありません。薬効成分の消失と共に副作用も治まっていきます。薬効成分の消失後も副作用が続く場合は医師の診察を受けてください。また、頭痛などの副作用が心配な方は頭痛薬との併用も可能です。

服用するタイミング

スハグラの服用のタイミングですが、性行為の1時間前を目安に服用してください。スハグラのみならずED治療薬は空腹状態での服用が推奨されています。食事をする際も油ものは避け、腹八分を心掛けてください。食後の服用も最低1時間は空けて食事と薬効成分が混ざらないようにしてください。

服用ができない方

狭心症の治療で使用されるニトログリセリンや硝酸剤を服用されている方は服用が出来ません。これらはED治療薬との併用禁忌薬に該当します。以前に併用禁忌薬に該当するものを服用中の方がED治療薬を服用してしまったケースがあったためにED治療薬に危険なイメージをお持ちの方がいらっしゃいますが、併用禁忌薬の服用がなく医師による処方を受ければED治療薬は安全なお薬です。

購入について

現在ED治療薬は簡単にインターネット通販での個人購入が可能ですが、大変危険を伴います。インターネットで流通しているED治療薬の約6割が偽物であるいう製薬メーカーの調査結果もございます。また、服用する際には医療知識がないと個人では判断が難しい事象もございます。必ず専門のクリニックや医療機関で医師の診察と処方を受けるようにしてください。