早漏症の方の多くは心因性といわれており、脳内物質のセロトニンが不足することで起こります。そのため、早漏症治療にはセロトニン不足を解消させることが大事になってきます。
2009年にセロトニン不足を解消することで早漏症を改善させる飲み薬、プリリジー(ダポキセチン)が発売されました。プリリジーは世界ではじめての内服の早漏症治療薬です。プリリジーの登場で早漏症は内服治療が主流の時代となっています。
プリリジーが登場する以前の早漏症治療はカウンセリングやリドカインなどの局部麻酔薬が治療に用いられていました。
早漏症は心理的な要因がその発症に大きく関わっています。
心理療法士と問題点を明らかにしストレス、不安などを解消していくのがカウンセリング療法ですが、心理療法のみで早漏症を改善するのは容易ではありません。
リドカインなどの局部麻酔薬は早漏症治療においては古典的な方法です。
ペニスに麻酔を塗りこむことでその感覚を一時的に麻痺させ、射精までの時間を稼ぐというやり方です。
手軽な方法なのではじめやすい治療ですがペニスの感覚が麻痺してしまうため、効果があった場合でも性的な快感も落ちてしまうことが問題でした。
また、仮性包茎で早漏症の方は包茎手術によって早漏症が改善するという説があり、最近でも早漏症治療目的で手術を推奨勧められるケースがありますが、実は包茎手術で早漏症が改善するという医学的な根拠はありません。
むしろ多くの研究の結果、包茎手術には早漏症治療効果はないと結論付けられています。
外科的な方法としてヒアルロン酸などの成分を亀頭に注射し、亀頭増大効果によって早漏症を改善させるという手術もありますが、早漏症治療目的で注入する場合、20~30万円程度費用がかかるのと6ヶ月~1年程度で効果が消失するのでその効果は永続的ではありません。
ED治療薬を服用して早漏症を改善させる方法も行われていました。
ED治療薬であるバイアグラ・レビトラ・シアリスには二次的な作用として早漏症改善効果があります。
特にレビトラにはバイアグラ・シアリスに比べて早漏症改善効果が強いとされています。確かにレビトラにはそのような作用があるのですが、ものすごく効いたという報告もあればあまり変わらなかったという報告もあり、個人差が大きいため確実な治療法ではありません。
うつ病などの治療に使用されるパキシルというお薬にも射精までの時間を延長する作用があります。
性行為の5時間前に服用することで34~90秒程度射精時間を延長させる事が研究で明らかになっています。しかしその効果の確率は4~6人に1人程度の割合でしかなく、レビトラと同様に確実な治療法ではありません。
このように確実な治療がなかった早漏症ですが、2009年、ダポキセチンを主成分とするプリリジーが開発されたことで状況は一変しました。
プリリジーを服用することで射精までの時間を3~4倍延長させることが可能で、射精までの時間が長くなるとパートナーの満足度も2倍になると報告されています。
また、副作用も少ないうえに局部麻酔のように感度が落ちることもありませんので安心して使用することができます。
プリリジーは現在世界60カ国以上で承認され、数百万人の患者さんに安定した効果を発揮しています。日本でもユナイテッドクリニックなど早漏症専門外来のあるクリニックが取り扱いをしています。