早漏について

包茎手術など外科的治療

包茎手術

仮性包茎で早漏症の方は包茎手術で早漏症が改善するという説があります。
包茎だと亀頭が皮に覆われているため、刺激に敏感なので早漏症になりやすいとされています。

手術で包茎を治せば早漏症も改善する、というのがその理由です。また、仮性包茎は包皮が余っているので性行為時に包皮が上下しやすくペニスへの刺激が強くなることが早漏症の原因のひとつともされています。
しかし包茎手術によって早漏症が改善するという医学的な根拠は実はありません。むしろ多くの研究の結果、包茎手術には早漏症治療効果はないと結論付けられています。そもそも仮性包茎の方が必ず早漏症かというとそうではありません。むしろ包茎手術を行って亀頭が露出するといままでよりもダイレクトに刺激を受けやすくなったことでかえって早漏症が悪化したケースすらあるのです。

包茎を治しても亀頭が刺激に強くならなければ高い費用を払って手術をしても早漏症は改善しないのです。

早漏注射

薬

亀頭にヒアルロン酸やコラーゲンなどの成分を注射し、亀頭増大効果によってペニスの感度を落とすことで、早漏症が改善するという治療法です。
確かに理屈から考えると注射で亀頭の皮膚が厚くなれば感度は落ちるでしょう。
ただしヒアルロン酸やコラーゲンは時間とともに体内に吸収されてしまうため、これらの注射の効果は永久に続くわけではなく、半年程度で消失します。また1回の注射にかかる費用は数十万円です。半年おきにこれらの注射を繰り返し行うことは金銭的にも肉体的に大きな負担です。

コラーゲンなどの体に吸収される成分ではなく、アクアミドなどの体に吸収されない成分を亀頭に注射するやり方もあります。
アクアミドは水とポリアクリルアマイドという成分でできている非吸収性ジェルです。
ポリアクリルアマイドはヒアルロン酸やコラーゲンと違い体内に吸収されない成分で繰り返し注射する必要がありませんので、注入した部位に半永久的に残ります。
しかしアクアミドを注射する深さを誤ると皮膚が硬くなったり、皮膚が壊死したりする副作用が起こる可能性があります。またアクアミドは発ガン性があるという報告もあり、アメリカのFDA(日本の厚生労働省に相当する機関)はアクアミドを認可していません。

効果が半永久的だからといって安易にアクアミドを注射することは避けるべきでしょう。

陰茎背部神経遮断術

陰茎背部神経遮断術とは、ペニスの陰茎背部神経の一部を切除することで早漏症を改善させる手術です。
現在この手術方法は日本では行われておらず、希望する方は韓国で手術を受けることになります。

包茎手術時に陰茎背部神経遮断術を合わせて行った人と包茎手術のみ行った人とで手術後の挿入時間の長さを比べてみたところ、陰茎背部神経遮断術を併用した人は持続時間が約3倍延びたのに対して、包茎手術のみ行った人は変わらなかったという研究もあるようです。
この結果だけみると包茎手術より陰茎背部神経遮断術は効果があるように思えますが、ペニスの感覚がなくなってしまったり、陰茎に軽い刺激や接触を起こしただけで激痛を生じる「複合性局所疼痛症候群」という後遺症を起こす可能性があったりと合併症も多い手術です。
泌尿器科の学会でもこの手術は早漏症に効果があるという証拠がなく、性的な機能が失われる可能性があるので推奨されていない手術です。

このように手術による早漏症治療は高額な費用にも関わらず、安全性とその効果が医学的に確立されていない治療ばかりです。早漏症治療を行う場合は医学的な根拠があり、安全性が確立されたプリリジーによる内服治療を選択したほうが無難でしょう。