コラム

マイラン製薬のバイアグラジェネリック

2019.04.17

ED(勃起不全)治療を行っている方はもちろん、EDとはまだ縁がないと思っていらっしゃる方でも「バイアグラ」という薬剤の名前をご存知の方は多いのではないでしょうか。このバイアグラ、1998年にアメリカのファイザー製薬が発売して以来、非常に多くの男性のED症状を改善し、性生活に再び光をもたらすことに貢献してきました。ファイザー製薬の持つバイアグラの特許が期限切れとなった現在では、世界中の多くの製薬メーカーが安価ながらバイアグラと同等の効果を得られるバイアグラジェネリックを製造・販売しています。今回は、その中の一つ「マイラン(Mylan)製薬」のバイアグラジェネリックについてご紹介していきます。

そもそもバイアグラってどんな薬剤?

上記したように、バイアグラはファイザー製薬が開発し、1998年に世界初のED治療薬として発売された薬剤です。有効成分は「シルデナフィル」で、もともとは狭心症の治療薬として開発が進められていました。しかし、狭心症に対する治療効果は芳しくありませんでした。そんな中、EDに対して非常に高い治療効果を持つことがわかり、狭心症の治療薬ではなくED治療薬として開発・販売されるようになったという経緯があります。

有効成分はシルデナフィル

シルデナフィルは、PDE5(ホスホジエステラーゼ5型)阻害剤に分類される薬剤で、ED治療に際しては勃起を抑制する物質であるPDE5の働きを阻害し、勃起を促す作用を持つcGMP(環状グアノシン一リン酸)の働きを活発化させます。このことにより、陰茎周辺の血流が促進され、陰茎海綿体へ集まる血液量が増加するためしっかりとした勃起が引き起こされるようになります。

バイアグラの種類

バイアグラは、含有されるシルデナフィルの量によって、バイアグラ100mg錠、バイアグラ50mg錠、バイアグラ25mg錠の3種類がありす。世界で多くの男性に使用されており、ED治療効果が高いのがバイアグラ100mg錠です。日本では50mg錠までが承認されていますが、50mgの用量では十分な効果が得られないという患者さんもいらっしゃいます。日本人と同等又はそれ以下の体格の人種の方でも、バイアグラ100mg錠を用いてED治療することは珍しくありませんので、十分な効果を期待されるのであればバイアグラ100mg錠を試してみるのが良いかもしれません。バイアグラ50mg錠しか取り扱いのない日本のクリニックや病院でも、50mg錠を2錠服用して100mgにするよう指導することもあるようです。

マイラン製薬

世界的な大手製薬メーカー

次に、今回の表題となっている「マイラン(Mylan)製薬」についてみていきます。マイラン製薬は、1961年に設立されたアメリカ合衆国ペンシルベニア州に本社を置く世界的な製薬メーカーです。取り扱う薬剤はジェネリック医薬品、新薬等幅広く、現在では145の国・地域で製品を取り扱うというグローバルな活動を行っています。1986年にニューヨーク証券取引所に上場し、2008年には売り上げが50億ドルを超えるなど、多くの人々に認められている企業といえるでしょう。また、日本でのジェネリック医薬品に関してファイザー製薬と業務提携しており、バイアグラを開発したファイザー製薬、そして日本と少なからぬ結びつきがあります。

ジェネリック医薬品

ここで、ジェネリック医薬品について触れておきます。ジェネリック医薬品とは、先発医薬品と全く同じ有効成分を同用量含有し、その効果が統計学的に同等であると証明された医薬品です。そのため、ジェネリック医薬品を服用しても、先発医薬品を服用しても基本的に得られる効果は同等です。つまり、バイアグラでもバイアグラジェネリックでも、同じ用量のものを服用すれば同等の効果が得られるということです。ジェネリック医薬品には、先発薬と違い製造・開発にかかるコストが圧倒的に低いため、安価で市場に流通するという大きなメリットがあります。バイアグラと比べて低価格で同じ効果が得られるということで、ED治療に際してバイアグラジェネリックを使用される方が非常に多くなっています。

マイラン製薬のバイアグラジェネリック

ジェネリック医薬品は、基本的に商品名に有効成分の名前が表記されます。バイアグラジェネリックであれば、「シルデナフィル(Sildenafil)100mg」といった表記と合わせて、製造販売する製薬メーカーの名前や略称表記が記載されます。マイランのバイアグラジェネリックも、「Sildenafil 100mg」と表記されています。錠剤の形は丸で青い色をしており、ファイザー製薬のバイアグラとは見た目が異なりますが、効果は同等です。

上記でご紹介したように、マイラン製薬は長い歴史をもつ世界的な大手製薬メーカーです。バイアグラジェネリックを製造・販売する製薬メーカーは日本の製薬メーカーをはじめ世界に多く存在しますが、マイラン製薬のような会社が製造販売する薬剤であればより一層高い安心感をもって治療に臨むことができるのではないでしょうか。

注意点~服用方法・副作用・併用禁忌薬

飲み方・服用方法

ED治療薬は食事やアルコールの影響を受け、効果にムラが出てしまうという特徴があります。これは、バイアグラ、バイアグラジェネリックの有効成分シルデナフィルも同様ですので、空腹時に水で服用することを心がけましょう。空腹時の服用でなければ十分な効果を得られないことが多々あります。シルデナフィルの効果は、服用から30分~1時間程度で現れ、3時間~6時間ほど持続します。この時間を頭に入れ、食事のことなどを考慮しパートナーとの性行為に臨んでください。正しく服用すれば、ご自身はもちろんパートナーにも喜ばれる満足のいく性行為ができるでしょう。

副作用

これもどのED治療薬でも共通ですが、副作用として顔の火照り、頭痛、めまい、鼻づまりなどの症状が現れます。これはED治療薬の血管拡張作用によるもので、薬剤服用時の一時的なものです。薬効が切れれば副作用の症状は治まりますので、過度な心配は不要です。いつまでも副作用のような症状が治まらないという場合は、別の原因も考えられますのでお近くの病院やクリニックを受診しましょう。

併用禁忌薬

薬剤には、飲み合わせの悪い別の薬剤が存在します。それが併用禁忌薬です。シルデナフィル等のED治療薬の場合は、狭心症の治療に用いられるニトログリセリンや硝酸剤、不整脈の治療薬等が該当します。かつて、ED治療薬を危険な薬であるとイメージづけていたのは、こういった併用禁忌薬を使用しているにも関わらずバイアグラを服用したケースがあったためです。ご自身の服用中の薬剤を確認し、医師による処方を受ければED治療薬はとても安全性の高い薬剤です。

ED治療薬の個人輸入代行・ネット通販は危険

最後に、マイラン製薬のバイアグラジェネリックのようなED治療薬をインターネット上の個人輸入代行や通販に頼って手に入れるのは非常に危険が伴います。過去に行われた調査では、そのような方法で購入されたED治療薬の約6割が偽物であり、健康被害の及ぶものも含まれると発表されています。もしも、バイアグラジェネリック等のED治療薬の購入をお考えの際は、専門のクリニックや病院等の医療機関を受診し処方を受けるようにしてください。