コラム

ザルティアとは

2019.03.18

三大ED治療薬のバイアグラ(シルデナフィル)、レビトラ(バルデナフィル)、シアリス(タダラフィル)とシチュエーションによって使い分けることが必要です。バイアグラの効果持続時間が4~6時間、レビトラが5~8時間に対して、シアリスは30~36時間となっています。薬効成分が効いている間ずっと勃起が持続しているわけではなく、性的な刺激があった場合に勃起が起こります。効果のピークはバイアグラ・レビトラは服用後1~2時間、シアリスは服用後3~4時間といわれています。そこで今回はシアリスと同じタダラフィルを主成分とするザルティアというお薬について紹介します。

 

ザルティアとは

ザルティアはシアリスと同じ有効成分のタダラフィルを主成分とするお薬です。
ED治療薬としてシアリスを開発したイーライリリー社が前立腺肥大症に伴う、排尿障害を改善する為に開発したお薬がザルティアです。有効成分はシアリスと同じタダラフィルですが、適応症が異なるお薬です。
シアリスの5mg、10mg、20mgの規格(成分量)に対して、ザルティアは2.5mg、5mgとなっています。ED治療を目的としてザルティアを服用したとしても低用量な為、満足な効果を得ることは難しいでしょう。
ザルティアは前立腺肥大症に伴う排尿障害の改善を目的として開発されています。尿道のすぐ奥にある前立腺が肥大することによって尿道が圧迫され、排尿障害を引き起こします。前立腺は精嚢(せいのう)と一緒に精液を作る役目を担っています。尿が排出されないことによって膀胱内に尿が溜まり過ぎてしまい、『過伸展膀胱』という膀胱の筋肉が伸びてしまう症状も引き起こしてしまいます。こちらの症状も合わせて膀胱付近の血流障害が起こり、症状がどんどん悪化していき排尿が困難になっていきます。ザルティアを服用する事により尿道・前立腺周辺の血管が拡張され、血流を改善する事ができます。
前立腺肥大症に対して処方されるお薬で保険適用になりますが、泌尿器科などで診察、検査を受けた上で前立腺肥大症と診断され、治療にザルティアが有効であると医師が判断した場合のみ処方されます。

作用機序

シアリスと同じくPDE-5阻害薬に分類され、有効成分のタダラフィルは体内でcGMP(環状グアノシン一リン酸)の分解を行う、PDE-5(ホスホジエステラーゼ5型)という酵素の働きを阻害しすることで、血管を拡張させる作用や前立腺及び、膀胱平滑筋弛緩作用があり、前立腺肥大症に伴う排尿障害を改善する効果があります。あくまで前立腺肥大症の症状があり、治療薬としてザルティアが適応であると医師が判断しないと、処方してもらうことはできません。

効果

ザルティアはシアリスと同じ有効成分のタダラフィルを主成分とする為、シアリスと同じく服用後1~2時間で効果が出始め、24~36時間持続時間があります。しかし、適応がシアリスと違うため規格(成分量)が少ないためED治療としての効果はシアリスと比べると劣ります。タダラフィルは他に肺動脈性高血圧症の治療薬としても使われる事もあります。

副作用

副作用に関してはシアリスと同じ有効成分のタダラフィルで、血管を拡張させる作用があるため頭痛、火照り、鼻詰まり等の症状があります。薬効成分が消失していくに伴って症状も治まっていきます。頭痛などが気になる方は頭痛薬との併用、胃への負担が気になる方は胃薬との併用も可能です。もし薬効成分が消失していても副作用が続く場合には医師の診察を受けるようにしてください。

服用が出来ない方

禁忌は他のED治療薬と同様、血圧が医師により管理されておらず数値に異常のある方、タダラフィルに対して過敏症の既往歴のある方、硝酸剤あるいは一酸化窒素供与剤を服用中の方、脳梗塞・脳出血、心筋梗塞の既往歴が6ヶ月以内にある方です。こちらで記載しているもの以外にも禁忌とされる項目があります。

購入について

他のED治療薬と同様に、医師の診察を受けず服用する事は大変危険です。服用する際に医療知識がなければ個人では判断できない事象が多々ある為、絶対に個人輸入代行などでネット購入しないようにしてください。ザルティアはシアリスに比べ成分量が少ない為、ED治療を目的として購入することは稀とだと思いますが、ネットで流通しているED治療薬は製薬メーカーの調査で約6割は偽造品であることが判明しています。大変危険ですので、必ず専門クリニックで相談をしてから処方を受けるようにしてください。