コラム

男性更年期障害(LOH症候群)でEDになるってホント?

2018.05.28

最近では、テレビなどでも男性の更年期障害が紹介され広くしれられるようになってきました。医学の世界でも、その診断や治療についてはまだ新しい領域とされています。それが「LOH症候群=加齢男性性腺機能低下症候群」です。簡単に言えば、加齢によって現れる身体の諸症状です。更年期障害は性ホルモンの低下によって起こりますが、様々な原因が考えられています。

男性の更年期と女性の違い

女性の場合、閉経時に急激にホルモンが低下することにより症状が現れますが、男性の場合だとホルモンの低下が緩やかに起こります。男性更年期障害はすべての人に現れるわけではなく、何の症状もなく老年期を迎える人もいるようです。性ホルモンの減少は自然な身体の変化ですが、「つらい」というような自覚症状に対してQOL(quality of life=生活の質)を維持するための治療を行うのがLOH症候群に対しての基本的な考え方です。

「やる気が出ない」男性更年期障害の原因

「朝起きられない」「疲れやすい」「なんか調子が悪い」「性的能力の衰え」「頻尿」「めまい」「のぼせ」「ほてり」など、加齢による多様なストレスや身体の変化が原因となります。
若い人ほどストレスの影響が大きく、年齢を経ていくにつれて性ホルモン低下による症状が現れやすく、20代をピークにして男性ホルモンのテストステロンは減少します。
このテストステロン減少のスピードが速いと更年期障害の症状が早くに現れやすいとも言われていますが、その関係性ははっきりとはわかっていないようです。テストステロンは減少スピードと更年期障害に対する症状に対し個人差があるため、調べてみないとテストステロンの分泌量は分かりません。しかし、テストステロンの分泌量が低くても元気で健康的だという中高年の人もいるようです。

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男性ホルモン(テストステロン)の役割と加齢による低下

上記は一例ですが、多く一般的には男性ホルモンであるテストステロンは加齢とともに低下します。男性ホルモンはその名の通り、男性力を高めるのに重要な役割があり、筋肉や性欲、毛深さなどの男性的特徴や精子の生成に関係しています。男盛りと言われる30代~40代の男性ホルモンの低下による影響は身体症状や精神症状、また性機能障害を及ぼします。
身体的なものであれば、ほてりやのぼせ、筋肉・関節のこわばりなどがあり、精神的なものには抑うつ感や不安、記憶力や集中力の低下などです。性的なものによる症状は性欲の低下やED(勃起不全)があります。その他にも喫煙、飲酒、ストレス、運動不足などによって身体の酸化が進行し、目に見えて衰えていきます。

どんな人に現れやすいのか

男性ホルモンが減少するため髭や体毛が薄くなり、内臓脂肪が増えておなかが出てきます。目に見えてわかるものには「朝勃ちが1か月以上ない」場合がありますので、糖尿病などの生活習慣病の疑いも含めて医療機関での受診をお勧めします。更年期障害は命にかかわるものではありませんが、「やる気が出ない、何をしても楽しくない」などのうつ症状が悪化すると自殺願望を生じることもあり、見逃せません。精神症状は比較的若年層から現れやすく、一生懸命働いたりストレスをためやすい人に注意が必要です。40~50代に対して更年期と指しますが、男性ホルモンのテストステロンが20代をピークに減少することから若い人でも症状が現れると言われています。世代問わず「疲れやすい」などのあいまいな不調が危険信号と言われています。

対策には?

LOH症候群は生活習慣の改善と共に様々な方向から治療を行います。亜鉛やビタミンB群を摂取することでテストステロンの維持ができるという報告もあります。また、亜鉛は必須ミネラルにも含まれているほか、通常の食事からはなかなか必要量が摂取できないので補助的にサプリメントから補うことが必要になります。
テストステロンは睡眠不足でも低下していきます。質の高い睡眠がテストステロンを維持することに重要となります。質の悪い睡眠はテストステロンの低下やストレス解消もされません。ストレスが要因でEDを発症することからもしっかりとした睡眠が非常に重要ですので、規則正しい生活を心がけるとよいでしょう。
また、飲酒でもテストステロンの低下が起こります。副腎皮質分泌ホルモンのコチゾールは分泌量が増えるとテストステロンの低下を引き起こし、喫煙でも同様です。過度の飲酒・喫煙を控えることをお勧めします。
負荷をかけた筋トレや短時間の運動がテストステロンを増加させます。また、脱水状態がテストステロンの低下を招くのでこまめな水分補給が重要です。

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LOH症候群によるEDの治療

LOH症候群によってEDや早漏症を引き起こすことがあります。LOH症候群のED治療にバイアグラ、レビトラ、シアリスなどで治療できます。早漏症の治療薬であるプリリジーは射精時間を延ばすのでパートナーとの満足度を高め、関係性の改善に期待できます。
こちらでも紹介しているED治療専門のクリニックや医療機関ではLOH症候群などによるEDの症状にも対応しています。一人で悩まず、まずは受診することをお勧めします。

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