コラム

シルデナフィル 「キッセイ」

2017.02.28

シルデナフィル「キッセイ」

バイアグラはアメリカのファイザー社によって開発された世界初のED治療薬です。知らない人でもED治療薬といえばバイアグラと連想するほど有名なお薬です。バイアグラは現在、世界中で愛用する男性がいます。日本でもバイアグラは販売されており、また現在ではジェネリック医薬品が様々な医薬品メーカーから販売されています。今回は数ある日本のバイアグラの中でもシルデナフィル「キッセイ」についてご紹介します。

バイアグラとは

バイアグラはファイザー社から1998年にED治療薬として販売されました。当初、臨床実験の際は「狭心症治療薬」としての研究を進めていました。しかし、狭心症治療の効果は低く研究を中止し薬剤を研究対象者から返還を求めるも渋られたため理由を聞いたところEDへの効果が認められた為、ED治療薬として研究を進めることとなりました。バイアグラはファイザー社から販売されているED治療薬のことを指す、いわゆる「商品名」で有効成分はシルデナフィルとなります。

薬剤には特許が制定されておりファイザー社の持つバイアグラの物質特許は2013年5月に満了し、用途特許も2014年5月に満了となりました。その為、日本でも数多くの大手製薬会社からバイアグラのジェネリック医薬品が販売されています。今回紹介するシルデナフィル「キッセイ」はキッセイ薬品工業株式会社から販売されているバイアグラジェネリックとなります。

シルデナフィルの作用機序

勃起とは陰茎海綿体に血液が流れ陰茎が硬直する状態を指します。視覚や聴覚などで性的な情報が脳に伝わるか、直接的な刺激によって勃起は発生します。まず、性的刺激が骨盤神経、陰部神経を伝わり脊髄勃起中枢から陰茎に興奮が伝わり陰茎海綿体で一酸化炭素が分泌されます。そして陰茎内でcGMP(環状グアノシン一リン酸)が発生し、血管が拡張されて血流量が増え陰茎に圧力がかかり勃起します。そして、射精や性的刺激が治まると血管を拡張させていたcGMPを分解するPDE-5ホスホジエステラーゼ5型が発生し血管が収縮し勃起状態が治まります。加齢による男性ホルモンの減少によりcGMPの分泌量が減少する一方、PDE-5は通常通りの分泌量です。PDE-5とcGMPの分泌量の差により血管の拡張が上手くいかずに勃起が出来なくなります。

シルデナフィルはPDE-5阻害薬に分類され、PDE-5の働きを抑制する効果がありcGMPとのバランスを調整することで正常に勃起をする様にします。

効果及び副作用

シルデナフィル「キッセイ」は服用後30分~1時間ほどで効果が現れます。効果時間は3~6時間持続します。服用後、継続的に陰茎が勃起することはなくあくまで性的刺激がない場合は平常時と同じになります。また催淫効果や女性に対する適応もありません。即効性のある薬剤ではありますが、空腹時に服用しないと効果が阻害される場合があるので注意が必要となります。シルデナフィルは食事の影響を強く受けてしまい薬の効果が薄れる事や効果が失われてしまう事があります。また、非常に副作用の発生率が高い薬剤です。顔のほてり、頭痛、鼻づまり、目の充血などが副作用としてあります。いずれも重篤な副作用では無く、シルデナフィルの効果が薄れると共に副作用も治まります。副作用はシルデナフィルの血管拡張作用で身体全体の血流が上昇したことによるものです。

ジェネリック医薬品

ジェネリック医薬品は後発医薬品とも言われます。後発医薬品という事は先発医薬品も当然に存在します。シルデナフィル「キッセイ」はファイザー社のバイアグラのジェネリック医薬品になります。それに対してファイザー社のバイアグラは先発医薬品であり、新薬とも言われます。先発医薬品は初めて開発・承認・販売のされた薬品の事を指します。医薬品の開発は12888分の1の成功率とも言われ、有望とされていても臨床試験の際に有効性や安全性に問題が生じ開発を断念せざるを得ない場合が多くあります。その為、先発医薬品には莫大なコストと時間がかかっているので、承認がされた場合は特許が与えられます。この特許の有効期間中は他の製薬会社は同じ成分の医薬品を開発・製造・販売が出来ません。この独占期間は開発に必要となった莫大なコストを回収する目的も含まれます。

特許の期間は一定期間であり、有効期限は無限ではありません。この特許の期限が切れるとジェネリック医薬品が解禁となります。ジェネリック医薬品は先発医薬品と有効成分や作用機序は全く同じものです。ジェネリック医薬品は有効成分が同じなものの為、先発医薬品に比べ開発費用が抑えられ販売価格が抑えることが出来ます。しかしながら、ジェネリックとはいえ医薬品であることには変わりはありません。ジェネリック医薬品として申請をする際には、先発医薬品と同様に大量の実験と資料の提出が必要で承認を得るためには多くの労力が必要となります。ジェネリック医薬品は先発医薬品と同じ有効成分を持ち、同等の申請の資料が必要で、同じ効果が出ることの確認と保証がされています。